『タイガからのメッセージ』6月上映会のお知らせと、クラスニヤール村・タイガ・ビキン川流域の現状

『タイガからのメッセージ』上映会、6月27日(金曜日)に東京は飯田橋、神楽サロンにて開催します。先月は直前に上映会をキャンセルせざるを得なく、皆さんにはご迷惑をおかけしました。この場を借りてお詫びを申し上げます。

タイガフォーラムの活動をFBでフォローしてくださっている方々はご存知かもしれませんが、現在、この映画の舞台になった極東ロシアのタイガにある「クラスニヤール村」周辺ビキン川上中流域の森約1万2,000平方kmが、去年の暮れにロシア連邦「国立公園ビキン」に指定される方向に政府と行政が舵を切ったことにより、村の人々が揺れています。

そして、この件に関しての現地での情報錯綜もあり、その余波で、少なからずわれわれタイガフォーラムも影響を受けています。

以下、現地からの最新情報などを含めた、現状報告をさせていただきます。少し長くなってしまいますが、時間ある方には是非読んでいただきたいです。そして、続きは上映会後のトークセッションで直接話題にしたいと思います。

5月の終わりから、タイガフォーラムのメンバーの野口栄一郎が、北海道新聞などの現地取材にコーディネーターとして同行し、クラスニヤール村を訪れています。取材終了後の現在も、現地に残り情報収集などの活動をしています。どのような展開なるのか、われわれタイガフォーラムも日本から見守りつつ、連絡を取り合っています。

この国立公園設立の決議などにおいて、現状、見えてきているのは、この森と共に暮らしてきた張本人たちであるデへを初めとする先住民族の不在です。どうも、中央政府はじめ地方政府、それらを取り巻くステークホルダーたちの思惑が先立って、森に住んでいる村人たちの意見があまりにも反映されていないようなのです。

僕としては、ウデへのいないタイガは考えられないし、またタイガのないウデへも考えられません。なぜなら、ここのタイガの素晴らしさ、貴重さ、美しさの根本は、様々な困難がありながらもウデへたち先住民族が、現在に至るまでこの森と共に暮らす生活を死守してきたところにあるからです。

今は一部となってしまいましたが(それでも、東京・神奈川・千葉・埼玉を合わせた面積)原生林という今ではもう地球上にほとんど残っていない状態の森があり、そこにはトラやヒグマという大型の肉食獣を頂点とした、様々な野生動物の営みも未だに存在しています。

そして、これらの自然が残っている大きな理由の一つが、本当の意味で森と生きてきたウデへたちの存在であると思うのです。

人類は、色々な形の進化を遂げてきたかもしれませんが、一方で、色々な部分を退化もさせてきたと思います。その一つが大いなる自然(地球)との断絶です。それによって、恐らく持っていただろう力を手放してきたような気がするのです。しかし、ウデへのような先住民族に出会うと、その失った力の記憶のようなものが自分の中で蘇ってくる感覚におそわれる瞬間で出会います。それが、彼らのような人々の存在の貴重さであり、素晴らしさなのではないかと思っています。また、ここの先住民族たちは、伝統と現代文明というものを両方持ち合わせて生きるということにも挑戦してもいるので、ただの博物館的なショーケースに入った「伝統文化」ではないところも魅力の一つです。だからこそ、僕らが学べる事も多いのです。このことは、『タイガからのメッセージ』の根底に流れているテーマでもあります。

ただ、そんな彼らの暮らしがもしかすると壊されてしまう可能性もはらんでいる今の状態は、非常に危うい部分を持っていると感じています・・・

今回の上映会では、こんな気持ちをシェアしながら皆さんと映画を観て、話をしたいと思っています。

どうぞ、もう見た方も、まだ見ていない方も、お誘い合わせの上、是非この機会に上映会を通して、タイガやそこに住む人々に触れてみてください!会場で、映画制作チーム(abovo & taiga forum)一同、皆さんにお会い出来ることを楽しみにおります!  

by  三上雄己